彼の素顔は甘くて危険すぎる
「どうだろ?久しぶりにキスした割には、結構応えれてるし……?」
「してないっ!……不破くん以外の人となんてっ……したくないもんっ」
「へぇ~、何で?」
「何でって……」
「ん?……言わなきゃ、分かんないじゃん」
ほら、早く言いなよ。
俺のことを『好き』だって。
相変わらず古風で頑固な彼女。
唇を真一文字にぎゅっと噛み締めてる。
簡単に『好き』とか『愛してる』だなんて言葉を言い出し難いんだろうけど。
だからこそ、言わせたい。
好きすぎて、どうにかなりそうなほど、俺に溺れて欲しいから。
壁に押し付けていた彼女の体をベッドに横たわらせて覆いかぶさるように体勢を変える。
ふんわりと長い髪が乱れ、頬にかかる髪をそっと横に流して…。
その指先は頬を包み込むように添え、さっきまでキスをしていた場所へと。
しっとりと濡れているそこに親指を這わせて、視線を絡ませた。
「この場所を他の男に触らせちゃダメだって言ったよね?」
「………ん」
「触らせたんでしょ?」
「………」
必死に顔を横に振る彼女。
「じゃあ、どこ触らせたの?」
「ッ?!………っ」
どこも触らせてないなら、同じように必死に顔を横に振るはず。
正直な彼女だから、そういう嘘は吐かないって分かってる。
だけど、身動きがピタリと止まった所を見ると、やはりあちこち触られたのは言うまでもなさそうだ。
「ここ?……それとも、ここ?もしかして、ここも触らせたとか?」
「ッ?!………っ、そこは……触ってないっ」
頬に手を添え、その手を首筋に降下させ、人差し指をツーっと下に滑らせ鎖骨を通り過ぎて胸のラインの際どい所で止めた。