彼の素顔は甘くて危険すぎる
うちの両親は、不破くんなら結婚相手として太鼓判らしい。
礼儀正しく、誠実で。
私を大切にしてくれていると分かるほど、ちゃんと愛情を注いでいると力説するほどだから。
だから、いつ嫁に行ってもいいと母親は言う。
まだ18歳になったばかりなのに。
父親は大学を卒業してからだと言うが、今時、そんな堅苦しいことが通らないことも理解してる様子。
よくあるデキちゃった婚も覚悟してるらしいと、母親からこっそり聞いた。
うちの両親は、底抜けの対応力があるらしい。
そんな会話をしたばかりだから、彼にサラッと言えたのかもしれない。
緊張はしたものの、ね。
「プロポーズしたら、OKしてくれんの?」
「……今は無理だけど」
「じゃあ、いつなら?」
「いつならって……そんなこと言われても分からない」
「けど、嫌じゃないんだ?」
「………ん」
「それくらい、俺のこと、好きってこと?」
「………嫌いじゃ付き合ってない」
「何その、捻くれた答え」
「じゃあ、私がお嫁さんにしてって言ったら?」
「する!今すぐでも」
「えっ?!」
「誰にも渡したくないもん」
「ッんっ……」
ニヤッと不敵な笑みを浮かべた彼。
チュッとリップ音響かせてキスをし、ギュッと抱き締めた。
彼の愛情は溢れんばかりなのは分かってるつもりだけど。
こんなイケメンな王子様が、私みたいな庶民の彼女でいいのだろうか?
いつも不安で仕方ない。
「商標登録する?」
「……ん」
「サインじゃないよ?」
「え?」
「俺に」
「不破くんに?それって、どういう意味?」
「俺に、彼女はひまりだっていう商標登録」
「………?」
彼はYシャツのボタンを外し、私に胸をチラつかせた。
「えっ?!」
「俺も登録するから、ひまりも♪」
「なっ……」
お互いにキスマークを付けよう!
……そういう事らしい。
「えっ、ちょっ……んっ……」