はやく俺のこと好きになってよ、先輩。
「明華に、好きじゃなくなったってフラれて、めちゃくちゃショックで・・・。納得できなくて、明華を追いかけようとも思ったけど、ますます明華のことを追い詰めそうで、苦しめるんじゃないかと思って、できなかった。でも本当は、追いかけてまたトドメを刺されるのが怖かったんだと思う。・・・情けないよね。何度も連絡しようと思ったけど、できなかった。明華が自分から別れようって言うなんて、相当考えた結果なんだろうなって思ったし、時間が必要だと思ったんだ」
たまに視線を下に落としながら話し続けるりっくん。
「明華からの連絡も期待してみたりして、でも全然来なくて・・・終わったんだなって思ったよ。それでも、他の子を好きになったりはできなかった。ずっと明華を忘れられなかった。体育祭も友達に誘われて、明華に会えるって思って行ったんだ。そしたら、遥斗と仲良さそうな明華を見て・・・めちゃくちゃ焦った。別れた時点で、明華が他の男と付き合う可能性だってあるのに、明華はしばらく誰とも付き合わないんじゃないかって、たかをくくってたんだ」
思いもしなかったりっくんの言葉に、ただただ、心が動揺している。
「それで、この間バイト先で会って、オレに会いに来てくれたのかって一瞬思ったよ。でも、遥斗とデートだって聞いて、正直嫉妬した。まあ、付き合ってるわけじゃなさそうだったから、今こうやってデートに誘ってるわけだけど」
苦笑いを浮かべるりっくん。
嫉妬って・・・りっくんが・・・?
付き合ってる時は全くそんな素振り見せたことなかったのに・・・