はやく俺のこと好きになってよ、先輩。
「美咲、ちょっと来て」
「えっ、なになに?ちょっと待って遥斗、すぐ行く!」
「美咲〜よかったね〜」
なんでか嬉しそうに弁当箱を片付ける美咲とニヤニヤしてる周りのやつら。
俺はそれをどこか冷めた気持ちで見ていた。
「なになに〜?遥斗から呼んでくれるなんて初めてじゃない?やっとその気になってくれたぁ?」
空き教室に入るなり、俺にくっついて上目遣いで見てくる美咲。
はぁ、やっぱ勘違いしてんのな。
そんな美咲の肩を押して俺は距離を取った。
「え、なに?」
美咲は鳩が豆鉄砲を喰らったような顔で俺を見ている。
「明華先輩になんかした?」
単刀直入に聞いたそれに、呼ばれた理由を理解したのか、美咲の顔が歪んだ。
「また明華先輩?別に何もしてないよ」
「俺が明華先輩をかけてゲームしてるってトイレで話してたらしいじゃん」
そう言うと、明らかに美咲は動揺した。