はやく俺のこと好きになってよ、先輩。
「ねぇ、さっきから何?なんかついてる?」
売店から戻って来た仁乃の様子がちょっとおかしい。仁乃は売店で買って来たパンをモグモグと食べながらずっと私を見てくる。
昼休みは一ノ瀬くんに会う可能性があるから、私は最近必ず弁当を作ってもらっていて、売店には着いて行かない。
仁乃もそれは分かってくれていて、一生のお願いは使わず大人しく一人で行くか、他に売店に行く子がいれば一緒に行ったりしている。
「あ、玉子焼き?食べたいならそう言いなよ。はい」
食べ終わりかけの弁当箱から玉子焼きを箸で掴み仁乃の口元に差し出した。
それを迷いなくパクッと食べる仁乃。
「・・・・・・やっぱり明華ママの玉子焼きは美味しい。・・・・・・って、そうじゃないんだけど」
「え?なに?」