はやく俺のこと好きになってよ、先輩。
楽しい食事の場には似合わないピリッとした空気が流れているような・・・
前を向き直すと、りっくんが手を止めて一ノ瀬くんを見ていた。
一ノ瀬くんもりっくんを見ている。
えぇ・・・えぇ〜
この空気・・・どうしよ・・・・・・
「あー最高っ。食が進む〜!」
空気を読まない左の声の主を見ると、ニヤニヤしながら楽しそうご飯を食べていた。
この状況を楽しんでるな、この人。
はぁ・・・
本日2度目のため息が出た。
この状況で何か察したのか、りっくんのお友達さんが話を振ってくれて、そのあとは少し空気が和らいで各々食事を楽しんでいた。
午後は自由に学内見学になっている。
食べ終えた食器を片付け、みんなでカフェテリアを出るとりっくんに声を掛けられた。
「明華、このあとちょっと時間貰える?」
「え・・・あー・・・うん、大丈夫だよ」
「ついでにオレが案内するよ」
みんなと回ろうと思っていたけど、さすがに断りにくい。