はやく俺のこと好きになってよ、先輩。
「ごめんね。・・・私、もう恋愛しないって決めてて・・・」
「え・・・それって・・・オレと別れてから?」
「うん・・・。でもりっくんが悪いわけじゃなくて、私の問題だから」
「・・・今更だけど、オレと別れた本当の理由って、聞いてもいい?」
あの時は、好きじゃなくなったからって言ったけど、りっくんも納得していなかったんだよね。
でも今なら、話せる気がする。
「あの頃、りっくんが大学生になって、別世界に行っちゃったように感じてたの。一回ね、内緒で大学まで迎えに来たことがあったんだけど、」
「え、ここに来たの?」
「うん。びっくりさせようと思って、外のベンチで待ってたんだけど・・・、りっくんがお友達さんたちと出て来て、なんか、それ見て声かけられなかったんだよね・・・。りっくんも周りの人たちもみんなキラキラして見えて、私、自分がすごくりっくんに釣り合わない気がしたの。・・・もちろん、りっくんが大切にしてくれてるのは伝わってたよ?でも、りっくんが大学生なんだって感じる度に、すごく劣等感を感じるようになってて・・・・・・りっくんの周りには綺麗な女の人もいっぱいいるんだなって思ったし、電話が掛かってきてるのも聞いて・・・、りっくんを疑ってたわけじゃないけど、私がそういうのに全部耐えられなくなっただけなの」