はやく俺のこと好きになってよ、先輩。
決着の花火
「それで?2回目のデートはどうだった?」
8月の2週目の土曜日、仁乃とオープンキャンパスぶりに会ってファミレスでランチ中。
昨日、りっくんと約束のデート2回目が終わったからその事情聴取で呼び出されたのだ。
「んー、楽しかったよ」
そう答えてグラスの中でくるくる回していたストローを咥え、ホワイトソーダを喉に通した。
「きゅんってした?」
そう聞いてくる仁乃はメロンソーダをストローで吸い上げた。
「・・・きゅんは、ないかな。なんていうか、安定というか、落ち着いてる感じかなぁ」
りっくんとのデートは、1回目は映画からのカフェデートで、2回目の昨日はテーマパークデートだった。
「ドキドキもなし?」
「うん。ドキドキは、しなかったかな・・・」
「そっか。あれだけ好きだったのに、ほんの少しも朝比奈先輩には傾かないのね〜。もう次が最後なんだよね?」
「うん。花火大会行くことになった」
「え!朝比奈先輩と行くの?」
「うん・・・どうしてもって感じで、断れなくて」