はやく俺のこと好きになってよ、先輩。
「私たちまだ高校生じゃん?受験生だけどさ、恋愛楽しんだっていいでしょ?今しかない青春よ?大丈夫だよ。今の仁乃なら絶対どっちも大丈夫だから」
ガチガチに固まっていた頭が、仁乃の言葉で解されていく。
「・・・いいのかな、今さら好きって言っても」
「いいに決まってんじゃん。一ノ瀬くんも泣いて喜ぶよ」
「いや、さすがに泣きはしないでしょ」
フッとお互い顔を見合わせ笑った。
そっか、好きって言ってもいいのか。
仁乃の言う通り、起きてもいないことに怯え過ぎてる。
今までも、私自身が原因だった。
勝手に自爆したり、話も聞かずに勘違いしたり・・・。
それなら私が変わればいい。
もし何か起きたとしても、逃げずにちゃんと向き合えばいい。
難しく考えちゃうのが癖だから、もっと単純に自分の気持ちに素直になりたい。
やっと、どうしたらいいか自分の中で道筋が見えて心が晴れた気がした。
「仁乃。花火大会の日、ちゃんとりっくんと話して来るよ」
「うん、頑張って。報告楽しみにしてるから」