はやく俺のこと好きになってよ、先輩。



遥斗side.



バイトが終わって着替えようとスタッフルームに入ると、久しぶりにシフトが被った朝比奈さんとオーナーが座って話していた。


ほんとオーナーって話好きだな。朝比奈さんまた捕まってるし。


気にせずロッカーを開け、制服を脱いでいく。


「朝比奈も意外と一途なんだなー。でもよかったな。またデートできるようになって。手応えはあんの?」


「まあ・・・。花火大会は一緒に行ってもらえるみたいです」


「マジ?よかったな!」


背中越しに聞こえる声に、着替えの手が止まる。


は?


デート?・・・・・・花火大会?


ちょっと待て。


いつのまにそんな事になってんの。


俺は、明華先輩は受験勉強があると思ってオープンキャンパス以降は連絡すら遠慮してたのに。まあ、どっちみちバイト三昧だったけど・・・。


え、デートしてんの?


花火大会も一緒に?


は・・・・・・?


「じゃあお先です」


「おう、おつかれー」


いつのまにか話を終えた朝比奈さんがスタッフルームを出て行った。


クソッ


慌てて着替えを済ませロッカーを閉めると、俺は急いで後を追った。


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