はやく俺のこと好きになってよ、先輩。



カラン、コロン


歩く度に下駄が鳴る。


白地に水色と青の大きな花柄が散りばめられた浴衣に紺色の帯、髪は緩くお団子にして、水色の花かんざしを挿している。


浴衣を着る予定はなかったけど、りっくんに着てきて欲しいって言われて着ることになった。


ついに来てしまった、花火大会当日。


りっくんに気持ちを伝えることも緊張するけど、それよりも気になっているのは一ノ瀬くんの方だ。


本当に来てるのかな・・・


いや、一ノ瀬くんのことだから来てるよね・・・


待ってるって、いつまで待つもりなんだろう。


一人なのかな?友達といる?


そんなことを考えているうちに、待ち合わせ場所の屋台が並ぶ場所に着いた。

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