はやく俺のこと好きになってよ、先輩。


「花火までまだ時間あるし、何か買って土手で食べようか」


「あ・・・うん」


たこ焼きと唐揚げとジュースを買って、土手の大階段に腰を下ろした。この土手には同じように大きな階段がたくさんある。シートを持って来ている人は芝生に座ったりして、花火打ち上げ20分前だけどすでに多くの人で埋め尽くされいた。


目の前は大きな河で、反対側で花火が上がる。


河川敷がずーっと続いていて、少し遠くに三角橋も見えた。


「懐かしいね。付き合ってすぐくらいに来たよね」


りっくんがたこ焼きのパックの輪ゴムを外しながら言った。


「そうだね」


付き合ってすぐ、高1の時。


その時の気持ちが蘇って、ちょっと恥ずかしくなった。


あの時は付き合いたてで、りっくんと花火デート出来ることがすごく嬉しくてはしゃいでたなぁ私。


「明華、あの時も真っ先にたこ焼き食べたいって言ってたよね」


「あー、そうだったかな?たこ焼き大好きだからね・・・」


どうしよう。


いつ・・・どのタイミングで話そう・・・


今?


今日が最後のデートって言われてるし、花火終わるまで一緒にいた方がいいのかな・・・


でも、そうしたら・・・・・・

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