はやく俺のこと好きになってよ、先輩。
「あー・・・やっと俺のもの。待ちくたびれたよ、先輩」
「ご、ごめんっ・・・」
「あすか先輩からキスしてくれたら許す」
「えぇっ」
「早く」
少し体を離し見つめてくる一ノ瀬くん。
キスは初めてじゃないけど、緊張するよ・・・
意を決して目の前の形の良い唇へと触れた。
自分からキスできたことに少しほっとして離れようとすると、すかさず後頭部に手を回され何度も啄むようにキスされる。
それはゆっくりと、だけど、どんどん深くなっていく。
「んっ・・・」
つい声が漏れると、一ノ瀬くんはピタッと動きを止めた。そしてゆっくりと離れる。
一ノ瀬くんとのキスは甘くて幸せで、まだ続けていたかった。なのに、何かまずかったかな・・・と一気に不安になる。
「・・・これ以上続けたら、俺ここで本当に襲っちゃいそう。あすか先輩一々反応可愛すぎだし、浴衣も似合いすぎだし、可愛すぎるし。なのに一番に見たの俺じゃないんだなって思うとすげー嫌だし。あー・・・もう。でも・・・・・・全部許せる」
そう言ってまたぎゅっと抱き寄せられた。
今度は私も背中へと腕を回す。
「一ノ瀬くん、ありがとう。待たせてごめんね。ずっと好きでいてくれて本当にありがとう。改めて、よろしくお願いします」
彼の首筋に顔を寄せた。
「っ・・・・・・可愛すぎ。こちらこそ。これからは遠慮しないからね。覚悟しててよ?俺の彼女さん」
「うん、覚悟してる」
そう言ってお互い腕の力を緩め顔を見合わすと、どちらからともなくキスをした。