はやく俺のこと好きになってよ、先輩。


「なんですか?」


「うん・・・昨日、好きって言ってくれたけど、ごめん。一ノ瀬くんの気持ちには応えられない。・・・今は、当分恋愛するつもりはないから」


なんだか一ノ瀬くんの顔が見れず、自分の足先に視線を落としながら伝えた。



「先輩、こっち向いて」


その声に、自分の足先から一ノ瀬くんに視線を移すと、彼は余裕そうに笑って私を見ていた。


「俺、諦めませんよ。そんなの、最初からわかってたし」


全く動じない彼。


「なんで?私じゃなくても、一ノ瀬くんだったら選び放題でしょ?」


「ひどいなぁ、先輩。まあ、そうすね、正直女の子に困ったことはないですけど」


「ほらね」


わかってたこと。


それなのに、なんでちょっとモヤっとしてるの、私。

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