はやく俺のこと好きになってよ、先輩。
気持ちの変化
桜も完全に散って、校庭の木々は綺麗な緑色に染まり、太陽の光を浴びていきいきとしている。
私はこの眩しいくらいの新緑の季節が、今は苦手だ。
胸がきゅーっと苦しくなる。
ふぅーっと息を吐いて、気を取り直した。
4限が終わり、売店のすぐ近くの自販機まで飲み物を買いに来たところだった。
仁乃には教室で待ってもらっている。
先に食べてていいよって言ったけど、仁乃のことだから待ってるだろうな、なんて思いながら、お茶を買って教室に戻ろうとした。
「西村、明華先輩ですよね」
目の前に女の子が3人立っている。
嫌な予感しかしない。
「ちょっといいですか」
そう言われて、校舎の一番端の非常階段の下まで黙ってついてきた。
ああ、なんかデジャヴかも。
前もここだったけど、なんかそういう場なのかな?ここ。