はやく俺のこと好きになってよ、先輩。


・・・・・・本気、なのかな。


仁乃に言われて、探し回ってくれて。

助けてくれて。



からかってるだけなら、そんなことはしないと思うんだけど。



てことは、本当に、私のこと・・・?



いやでも、やっぱり今だけ、一時的なものかも。


私を落とせたら終わりみたいな。



・・・・・・・・・私、どこまでも最低だな。


人の思いをそんな風に解釈するなんて。



素直に受け取れない臆病者。


信じて、好きになって、また終わりが来るのが怖いんだ。


今ならまだ深入りしなくて済むから。



今日の放課後は一ノ瀬くん待っててくれてるのかな・・・。


気まずいけど、助けてくれたお礼、もう一回ちゃんと言おう。



SHRが終わって、変にドキドキしながら昇降口に向かったけれど、バイトだったのか、そこに一ノ瀬くんの姿はなかった。

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