はやく俺のこと好きになってよ、先輩。
「もうすぐ借り物競走じゃない?」
「あ、ほんとだ。じゃ、行ってくる」
重い腰を持ち上げ、テントから出る。
K-popアイドルグループの可愛い曲が大音量で流れていて、グラウンドの中央に視線をやると、2年女子が創作ダンスを踊っている最中だった。
なんだかそれが、やけにキラキラして見えた。
こんなに可愛い女子がいっぱいいるじゃない。
男子がそこらじゅうで盛り上がっている。
・・・・・・どこかで、一ノ瀬くんも?
そう思うと胸がチクっとした。
いや、なんで。
それを振り払うように、頭をフルフルと横に振って、召集場所まで走った。