はやく俺のこと好きになってよ、先輩。


「もうすぐ借り物競走じゃない?」


「あ、ほんとだ。じゃ、行ってくる」


重い腰を持ち上げ、テントから出る。


K-popアイドルグループの可愛い曲が大音量で流れていて、グラウンドの中央に視線をやると、2年女子が創作ダンスを踊っている最中だった。


なんだかそれが、やけにキラキラして見えた。


こんなに可愛い女子がいっぱいいるじゃない。


男子がそこらじゅうで盛り上がっている。


・・・・・・どこかで、一ノ瀬くんも?



そう思うと胸がチクっとした。


いや、なんで。


それを振り払うように、頭をフルフルと横に振って、召集場所まで走った。
< 47 / 183 >

この作品をシェア

pagetop