はやく俺のこと好きになってよ、先輩。
「ねぇねぇ、あの集団何?卒業生かな?イケメンばっかじゃない?」
借り物競走のスタート地点にしゃがんで並んでいると、前の列の子たちがグラウンドの端を見ながら話していた。
卒業生・・・?
とくに何も考えずに彼女たちの視線の先を目で追ってみた。
っ!!
その集団を見て、バッと勢いよく下を向いた。まるでその集団から見えないように、隠れるかのように。
な・・・んで、いるの・・・
これから出るところなのに。なんで。
タイミング悪すぎだよ・・・。
どうか、見つかりませんように。こっちを見ませんように。
そう祈っている中、出番は来てしまい、スタートラインに立つと晒されている感覚に陥った。