③私、突然お嬢様になりました

もちろん、私の気のせいかもしれないが…。

これから一緒にやっていくペアの彼に対して私自身が不誠実ではありたくないし、できれば適度に仲良くやって平穏な学園生活を過ごしたいのが本音だ。

「…わかりました。じゃあ、侑也くんって呼びます。あと、私、別に様なんかつけるほど大層な人間でもないので呼び捨てにしてもらっていいですよ。西園寺グループの孫娘ってことだって昨日発覚したことですし。感覚は一般人と同じなので…。それに、間違ってたら申し訳ないですけど、さっきから笑ってるの本心じゃないですよね?」


そう言って、目の前で笑う彼をジッと見つめ返してみる。


そんな私の言葉に一瞬、大きく目を見開いた侑也だったが次の瞬間には、フッと怪しげな微笑みを浮かべ私を見据えた。


そして。


「へぇ?これはちょっとびっくりだ。理解があるなら助かるよ。君、そこまでバカじゃなかったんだ」


と、先程までとは打って変わって小馬鹿にしたような口調でそう言い放つ。

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