③私、突然お嬢様になりました

――――…

昼休み。

「いいですか?西園寺さん、櫻乃学園生徒会は学園生徒の憧れの的です。副会長の輝夜様直々にお誘いなさるなんて、あの時は驚きでつい言葉を失ってしまいましたが…やはり私の目に狂いはなかったのです…!さすが我が友人の西園寺さんですわ」

いつもなら侑也くんと2人きりの屋上に今日は、菖蒲池さんと本郷くんも集まっている。

最後の方は話が脱線してしまったが、菖蒲池さんの興奮の様子から生徒会が学園内でどういう位置にいるのかは、なんとなく察することができた。

「つまり、生徒会に入ると嫌でも注目を浴びてしまう…というわけですか?」

「ま、そういうわけだな。それに生徒会メンバーもヤバい。さっきの副会長、鳳松院輝夜も4級保持してるし、生徒会長の蘭(あららぎ)姫香は、現在唯一の5級保持者だ。それにしても1年からは絶対純連様が選ばれると思ってたのにな…西園寺グループの後ろ盾は伊達じゃないね〜」

本郷くんが会話に割って入り、私に向かって少し嫌味ったらしく言葉を紡ぐ。

「千影、今回の勧誘は西園寺さんの実力なのですから、失礼なことを言わない!…こほん。西園寺さん、現生徒会メンバーは、生徒会長の3年蘭姫香様、ペアで書記の3年桐生一馬先輩、副会長の3年鳳松院輝夜様、ペアで会計の3年桜塚幹人先輩。2年メンバーの如月真莉愛様、ペアの簓(ささら)琥珀先輩の6名で構成されてます!基本的に各学年に最低1組は、生徒会メンバーが選ばれるシステムになってますので最近では1年生から誰が選ばれるか…密かに話題にもなっていましたの」

菖蒲池さんの言葉に私は目を見開いた。
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