③私、突然お嬢様になりました

いや、そんなすごい生徒会に何でよりによって転入して間もない私が…?

いくら、初日で2級に上がったからって…。

「ちょっと待って。絶対私なんかより菖蒲池さんの方がメンバーに相応しいわ。ランクも私より上だし…」

驚きすぎてついフランクな話し方になってしまう。

「まぁ…。西園寺さんが私のことそんな風に思ってくださってたなんて…感激です。あの、良ければ琴乃ちゃんとお呼びしてもいいですか?私のこともぜひ純連と下の名前で呼んでくださいな」

「え…?あ、はい。そしたら、純連ちゃんで…」

「…!!はい、琴乃ちゃん…!」

キラキラとした瞳で私を見つめる彼女に曖昧な笑みを浮かべつつ、私は先程から黙っている侑也くんに声をかけた。

「ねぇ、侑也くんはどう思う…?鳳松院先輩と知り合いみたいだったけど…」

「…知り合いってほど親しくないので」

ポツリと答える彼に対し。

「沢城はそりゃ仲良しだろ?なんせ蘭先輩と幼なじみらしいじゃん?今回の西園寺の生徒会勧誘はお前がペアって言うのもあるんじゃねーの?」

冷めた口調で本郷くんが侑也くんに言葉を投げかける。

…生徒会長と侑也くんが?

新たな事実に私は再度目を見開いて驚く、それは純連ちゃんも同じようで。

「えぇ!?千影それは本当ですの?私初耳ですけど…」

と、大きな目をパチパチとしばたたかせた。

「確かに蘭先輩とは小さい頃、家の都合で会ってはいたけれど幼なじみなんて言うほどの仲じゃないよ。実際、櫻乃学園に入学してから、先輩に会ったのも入学式の時くらいだし?」

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