③私、突然お嬢様になりました
侑也くんの突飛な行動気にしてたらこっちが損よね。
あの男は何考えてんのかほんとに謎だわ。
そんなことに頭を悩ませ、もの思いにふけっているうちに帰りのホームルームが終了する。
さ、私も早く寮に帰ろっと。
そう思って立ち上がる私に。
「琴乃ちゃん、また明日ね!今日はお互い大変だろうけど良いの見つかるといいわね〜」
本郷くんと共に足早に教室を出ていく純連ちゃんが満面の笑みで私に手を振り、そう告げた。
…何が大変なんだろ?
私も手を振り返したが、純連ちゃんの言葉の意図が汲み取れずキョトンとした表情を浮かべる。
しかし、彼女の言葉の意味が判明するのにそう時間はかからなかった…。
「え…!?何このドレスの山…!」
寮に戻ると、色とりどりのドレスが部屋に所狭しと並べられていて私は目が点になる。
それ以外にもアクセサリーやら靴やら…足の踏み場もない。
「何してんだよ、ダンスパーティー用のドレス選びだ。これくらい基本だろ」
呆気にとられている私に対し、冷静なツッコミを入れる侑也くん。
いや、この量は普通じゃないよ…?