③私、突然お嬢様になりました
…びっくりした…。まさか、生徒会長から声をかけられるなんて思わないもの。
後に残された私は去っていく蘭先輩の後ろ姿をしばらく見つめ、小さく肩を落とした。
そして、隣に立つ侑也くんに声をかけた瞬間、ギョッとする。
「侑也くん…さっきの人…え?なんか顔色悪いけど…大丈夫?」
「あぁ、何でもない…気にするな」
つい数分前までは元気そうだったのに顔面蒼白で冷や汗をかいている彼に私は慌てた。
「いいか。俺は大丈夫。ちょっと人酔いしただけだから。それよりも今から学園長の話がすんだらダンスが始まる…まずは、1年生からだからな…リズムに乗り遅れるなよ」
「わかってるけど…」
どう考えても大丈夫じゃなさそうな侑也くんが内心心配でたまらない。
こんな状態で、踊れるの…?
一抹の不安を覚えた私は侑也くんを気遣いつつ、クラスメイトが集まっているテーブル近くに移動した。