③私、突然お嬢様になりました

え…!?いきなり、どういうこと…??

祖父のそんな提案に戸惑う私。

『ちょ、琴乃ちゃんは関係ないじゃない…!お父様、どういう意図があるのか知らないけれど私の娘を巻き込まないでちょうだい!ハァ…芳樹がお父様から私達を隠してた理由察しがつくわ…』

頭を抱える母に対し。

『何を言う…!元々、西園寺グループの令嬢のお前とパートナーで執事見習いじゃった芳樹が突然、駆け落ちなどするからじゃろ…全く恋愛禁止の校則破って退学処分だなんて呆れるわい』

と、祖父も負けじと言い返す。

『そ、それは…お父様が勝手に私の婚約者を決めたりするから…しょうがなかったんだもの…!私が芳樹のこと好きだって知ってたくせに…』

私はそんな二人のやり取りをハラハラしながら見守ることしかできなくて。

ただ、内心初めて聞いた父と母の馴れ初めがあまりに現実離れしていて思わず、ワクワクしている自分がいた。

…お嬢様と執事の恋だなんて…漫画みたいな展開…だわ。


というか…。


『お母さん、私別に櫻乃学園でもいいよ?とりあえず高校までは卒業したいと思ってたし…。まずは一千万の借金をどうにかしないと、このままじゃ路頭に迷う羽目になるわけだし』


サラリとそう言ってのけた私の言動に母は、目を丸くし、祖父は瞳を輝かせる。

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