どんな君も、全部好きだから。
翌日の委員当番の時間。

事務的な会話はできたけどそれ以外は言葉を交わせなかったし、何より俺の顔をまったく見ようとしてくれないのがつらすぎた。

これ以上避けられるのはもう耐えられないし、いっそしばらく距離をとってしまおうかと考えてしまうほど俺の心は折れそうになっていた。

でもこの状況の原因が俺なのかもしれないとわかってて、このまま優依から逃げるのはあまりにヘタレすぎる。

俺に何か問題があったのならちゃんと言ってほしいし、ちゃんと謝りたい。

なんとかして優依が言い出せるような状況を作らないといけないよな・・・。

もし俺とは話したくないんだとしても、このまま終わってしまうのは絶対イヤだ。


折れそうな心をなんとか踏ん張らせて、帰りの時間に恐る恐る声をかけると優依はやっとこっちを見てくれた。

困った顔をしながらも、俺と一緒に帰るのを了承してくれてとりあえずほっとした。


でもほっとしたのもつかの間、二人で並んで歩きながらどう声をかければいいのかわからなすぎて焦った。

無理に聞き出すなってりぃが言ってたけど、だからって全然関係ない話題を出す雰囲気でもないし。

・・・肝心なときに話しかけられないって、何も変わってないな俺は。

そんなふうにグダグダと悩みながら自己嫌悪に陥っていたら、なんと優依のほうから切り出してくれた。
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