どんな君も、全部好きだから。
図書委員は二名決めるんだけど、挙手をしたのは私だけ。

誰と一緒になるのか、ちょっとドキドキするな・・・。

楓ちゃんも瑞希ちゃんもすでに決まっているから、二人と一緒にはなれない。

もしこのまま誰も手を挙げなかったら、最後に残った人たちでジャンケンをすることになるのかな・・・。


「ちょっといい?」


まだ手を挙げる人がいない中、突然、青山くんの低くて落ち着いた声が教室に響いた。


「ん?どうしたの?」

「図書委員、他になりたい人いなかったら賢斗にしていい?」


青山くんが夏海くんを推薦したことで、みんなが少しザワついている。


「夏海~?別にいいと思うけど、勝手に決めちゃっていいの?」

「いいんじゃね。風邪引いたのも腹出して寝てたってアホな理由だし。こんな日に休んでるのが悪い」


青山くんの身もふたもない発言に、クラス中がドッと笑いに包まれる。

夏海くん、けっこう恥ずかしい情報を暴露されたのでは・・・。


「図書委員やりたい人いない~?」


岡井さんがグルっとみんなを見渡すけど、誰も手は挙げなかった。


「じゃあ図書委員もう一人は夏海に決定ね」


青山くんが黒板にすでに書いてある私の名前の隣に、夏海くんの名前を書いていった。


・・・ん?まって?

ということは、私、夏海くんと一緒に委員会やるの?

あの住む世界の違うキラキラ男子と?

ほとんど話したことないけど、上手くやっていけるかな・・・かなり緊張するかも・・・。
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