どんな君も、全部好きだから。
こんなふうにキラキラな人たちと話をできるとは思わなかった。
話しかけられてそれに答えているだけだけど、私の中に以前まであった無意識に壁を作ろうとするところは少し改善されているような気がする。
私が変わろうとしているのもあるけど、そもそも周囲の人たちが本当に良い人ばかりで。
私、すごく恵まれた環境にいるんだなって、最近すごく実感する。
もっとみんなと仲良くなれるように、球技大会も全力で頑張ろうっと。
そんな決意で臨んだ球技大会当日。
気合を入れるために高めの位置でポニーテールにしてみた。
最近は髪をアレンジすることにも慣れてきて、おしゃれすることも楽しいと少しずつ思えるようになってきた。
「バスケは午後からだって~。応援行こうね」
私のクラスの女子バレーボールの試合時間が近づいてきたので体育館に向かっている途中。
一緒にバレーに出る瑞希ちゃんがコソッとそう言った。
バスケットボールは夏海くんが出る種目だ。
夏海くんの隣に自信をもって立ちたいという決意をした翌日、そのことを瑞希ちゃんと楓ちゃんに話したら二人はとても喜んでくれた。
「優依ちゃんが応援に来たら夏海くんすごく喜ぶだろね」
瑞希ちゃんがとても嬉しそうに笑いながら言ったので、私は少し照れてしまった。
本当にそうだったら私も嬉しいな。