どんな君も、全部好きだから。
委員会と係決めが無事に終わった放課後。

さっそく今日から委員会があるところもあるけど、図書委員の初集合は三日後の金曜日だそうだ。


「早坂さんいいなー。賢斗くんと一緒の委員」


帰りの準備をしていたら、隣の席の松山さんという女の子が羨ましそうに話しかけてきた。

『夏海くんと同じ委員会』という事実は時間が経つにつれて私の緊張を強めていったので、頭が上手く回っていない私は、微妙な愛想笑いをすることしかできない。


「でも賢斗くん委員とかあんまりやんないんじゃない?」


松山さんとよく一緒にいるお友達、音川さんも話に加わってくる。


「あーそれはそうかも。しかも図書委員でしょ。似合わなすぎだよね」

「もっと目立つヤツやってほしい~」


ただそこにいるだけで存在感のある夏海くんだから、目立つ活動が似合う、というのはなんとなくわかる。

でも、夏海くんそんなに図書委員似合わないかな・・・?


二人の会話を聞きながら、私は一年生のときのとある出来事を思い出していた。
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