どんな君も、全部好きだから。
西村くんと女子たちの仲の良さが伝わる会話を聞ききながら私も笑っていたら、その隣にいた夏海くんとまた目が合った。
夏海くんは私と視線を合わせながら、口をパクパクさせている。
声は出ていなかったけど、口の動きは
『が・ん・ば・れ』
と動いているように見えた。
夏海くんが応援に来てくれているだけでも嬉しいのに、私だけに言葉をかけてくれるなんて。
それだけでもうサーブミスしない気がしてきたし、何本でもレシーブできそうな気もしてきた。
でも。
気合十分にコートに入ってポジションについた途端、思いもよらないことが私に起こった。
「危ないっっ!!」
という叫び声とほぼ同時に、何かが猛スピードで私の頬をかすめながら通り過ぎていった。
あまりに突然のことで、驚きすぎた私は思わずよろけてその場に尻もちをついてしまった。
私の顔の横を通過した『何か』が大きくバウンドしながら壁で跳ね返ってコートに戻ってきた。
それがボールであることを理解するのに数秒かかったほど、私は呆然としていた。
どうやら隣のコートで試合中の男子のボールが私の方へ飛んできたらしい。
「優依!!」
みんなが心配して声を上げている中、ひときわ大きく私の名前を呼ぶ声が体育館に響き渡った。
夏海くんは私と視線を合わせながら、口をパクパクさせている。
声は出ていなかったけど、口の動きは
『が・ん・ば・れ』
と動いているように見えた。
夏海くんが応援に来てくれているだけでも嬉しいのに、私だけに言葉をかけてくれるなんて。
それだけでもうサーブミスしない気がしてきたし、何本でもレシーブできそうな気もしてきた。
でも。
気合十分にコートに入ってポジションについた途端、思いもよらないことが私に起こった。
「危ないっっ!!」
という叫び声とほぼ同時に、何かが猛スピードで私の頬をかすめながら通り過ぎていった。
あまりに突然のことで、驚きすぎた私は思わずよろけてその場に尻もちをついてしまった。
私の顔の横を通過した『何か』が大きくバウンドしながら壁で跳ね返ってコートに戻ってきた。
それがボールであることを理解するのに数秒かかったほど、私は呆然としていた。
どうやら隣のコートで試合中の男子のボールが私の方へ飛んできたらしい。
「優依!!」
みんなが心配して声を上げている中、ひときわ大きく私の名前を呼ぶ声が体育館に響き渡った。