どんな君も、全部好きだから。

今、何を思っているの・・・?

「はぁ~~・・・」


自分の部屋のベッドに寝転がりながら、自己嫌悪に陥っていた。

もっとしっかりしていたらボールに驚いて転んでしまうこともなかったかもしれないのに。

もっと上手に手をついていればこんなケガしなくてすんだのに。

せっかくクラスのみんなとも徐々に打ち解けてきていたのに、ここにきて迷惑をかけてしまうなんて・・・。


夏海くんと保健室に行った後、念のため病院に行った方がいいということですぐに早退することになった。

夏海くんは教室に私の荷物を取りに行ってくれたり、母が迎えに来てくれるまで話し相手になったりしてくれていた。

その間も、ずっと患部を冷やしていてくれて。

本当に何から何まで助けてもらって感謝しきれないよ。


幸い骨には異常がなく、安静にしていれば数週間で治るだろうという診断だった。

今はアイシングをして固定しているけど、利き手とは反対の手だし、日常生活への影響も最小限で済みそう。


病院からの帰り、瑞希ちゃんから『女子バレーは3位だったよ』とメッセージが届いていた。

全クラスの中で3位なんてすごい!みんなさすがだなぁ。


「・・・みんなと一緒に喜びたかったな・・・」


固定された自分の左手を見つめていると、寂しさが募って気持ちが溢れてしまった。

それに・・・夏海くんの試合も応援したかったな・・・。
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