どんな君も、全部好きだから。
「おっおはよう・・・どうしてここにいるの・・・?」

「心配だったから、早く会いたかった」

「!」


その直球な言い方に朝から腰が抜けそうだった。

昨日病院から帰宅してから、夏海くんには診察の結果とお礼のメッセージを送っていたんだけど。

まさか今日迎えに来てくれるなんて想像もしてなかったよ。


「手、痛い?」


私の固定されている左手を見ながら、少し眉根を寄せる夏海くん。


「ううん、大丈夫。軽いからすぐ治るって病院の先生も言ってたから」

「そっか」


私の返事を聞いて少しほっとしたような顔になってくれた。

これ以上心配かけたくないから安静にして早く治そうっと。


並んで歩きながら、昨日私が早退した後の球技大会の様子を教えてもらったりした。

夏海くんの出たバスケは準優勝だったことも聞いていたので、力いっぱいお祝いもした。


私のこと何か聞かれたのかどうか気になったけど、夏海くんがあまりにも普通だったのでなかなか切り出せないでいた。


お互いに昨日のことを話し尽くして学校の校舎が近くに見えてきたとき、ふいに夏海くんが


「そーいや、他のヤツから昨日何か連絡来た?」


と質問してきた。


「連絡?えっと、瑞希ちゃんと楓ちゃんとはやり取りしたけど・・・。あ、りぃちゃんも心配のメッセージくれたよ。他は何も・・・」


質問の意図がわからなくて一瞬戸惑ったけど、深く考えずに返答した。
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