どんな君も、全部好きだから。
神崎と女子たちのやり取りに頭が沸騰しそうだった。


なんで俺の相手を勝手に決めつけられなきゃなんねぇの?

俺が優依を選ぶことはそんなにおかしいことなのか?

俺が神崎を選んでいればみんな満足だっていうのか?

そこに俺の意志はなくても?


もうそういうのはウンザリだ。


俺は踵を返して教室のドアに向かった。これ以上ここにはいたくない。


「あ、賢斗!」


神崎が俺を呼んでいたけど振り返る気にはならなかった。


誰にも理解されなくたってかまわない。

たった一人、俺のことをわかってくれる人がいればそれでいい。


優依が俺を受け入れてくれるなら、他には何もいらない。


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