どんな君も、全部好きだから。
「私は優依のことが心配だよ・・・夏海くんのファンから嫌がらせとかされたらどうしよう・・・」


楓ちゃんが眉を八の字に下げながら心配そうな顔で私を見ている。


「夏海くんが優依ちゃんに何かしたら許さないって言ってたから、しばらくは嫌がらせしてくる子はそうそういないんじゃないかなぁ」

「・・・そうだといいんだけど・・・」


二人の会話を聞きながら、私はやっぱり夏海くんのことが気にかかっていた。

夏海くんが今どんなことを考えているのか気になって仕方ない。

でも朝の彼の雰囲気を思い出すと、なかなか踏み込ませてもらえない気がする。

そう思ってしまうくらい、あのときの夏海くんに壁を感じてしまった。


みんなに冷たい視線を向ける夏海くんを思い出すと、胸が締め付けられる。

できるなら、元の雰囲気に戻ってほしい。


私は夏海くんのために何ができるんだろう・・・。


どれだけ考えても、その場では良い考えが浮かんでくることはなかった。
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