どんな君も、全部好きだから。
「また会ったね。家、この本屋の近くなの?」
「あ、いえ、近くではないんですけど、ここがいちばん品揃え良くて」
「あー、確かに」
「先輩は・・・学校帰りですか?」
下校にしては遅い時間なので、制服のままの先輩を見てなんとなく質問してしまった。
「これから塾なんだ。そこのファミレスで時間つぶしてた」
「そうなんですね」
「球技大会、大変だったね。ケガ大丈夫?」
先輩は私の左手に目をやりながら聞いてきた。
「あ、はい、もうだいぶ良いです。・・・知ってたんですね」
「うん、学校中に広がってるよ。夏海くんが早坂さんのこと好きらしいって噂も一緒に」
ふいに夏海くんの名前を出されて、私の肩がビクッと跳ねる。
私の知らないところまで話がどんどん広がっていることに少しだけ怖さを覚えた。
「大丈夫?あいつのファンから嫌がらせとかされてない?」
「あ、はい、それは今のところないです」
「ふーん、夏海くんが周りに牽制しまくってるっていうのホントだったんだね。ちゃんと守ってくれそうで良かったんじゃない?」
先輩の口から出た『牽制』という言葉が私の胸に突き刺さる。
「あ、いえ、近くではないんですけど、ここがいちばん品揃え良くて」
「あー、確かに」
「先輩は・・・学校帰りですか?」
下校にしては遅い時間なので、制服のままの先輩を見てなんとなく質問してしまった。
「これから塾なんだ。そこのファミレスで時間つぶしてた」
「そうなんですね」
「球技大会、大変だったね。ケガ大丈夫?」
先輩は私の左手に目をやりながら聞いてきた。
「あ、はい、もうだいぶ良いです。・・・知ってたんですね」
「うん、学校中に広がってるよ。夏海くんが早坂さんのこと好きらしいって噂も一緒に」
ふいに夏海くんの名前を出されて、私の肩がビクッと跳ねる。
私の知らないところまで話がどんどん広がっていることに少しだけ怖さを覚えた。
「大丈夫?あいつのファンから嫌がらせとかされてない?」
「あ、はい、それは今のところないです」
「ふーん、夏海くんが周りに牽制しまくってるっていうのホントだったんだね。ちゃんと守ってくれそうで良かったんじゃない?」
先輩の口から出た『牽制』という言葉が私の胸に突き刺さる。