どんな君も、全部好きだから。
昼食をとった後、蓮に家から無理やり連れ出されて街をブラつくことになった。
俺の心の中を全無視するような、眩暈がするほどの晴天に思わず顔をしかめる。
あてもなく歩いていた俺と蓮は夏の日差しに耐えられず、よく行くファーストフード店に入ってドリンクを注文した。
「んで、何があったん?まぁだいたいわかるけど」
蓮がドリンクの氷をストローでかき混ぜながら聞いてきた。
「・・・なんでわかるんだよ・・・」
「いや、見りゃわかるって」
昔から蓮とりぃに『お前はわかりやすすぎる』とよく言われてきた。
自分ではそんなふうには思わないし、俺に寄ってくるヤツらにも俺のことはわかってもらえないけど。
ずっと一緒に育ってきた二人にとってはそうらしい。
「・・・何がダメだったんかな」
俺は昨日までのことを思い出しながらぽつりとそう呟いた。
体育館で、大勢の前で、優依の名前を呼んでしまったことは失敗だった。
もっと二人だけの速度でゆっくり進んでいきたかったのに、そうもいかない状況を招いてしまったのは俺だ。
でも二人でいるときの優依は笑顔も増えてきて、俺に心を開いてくれているように感じることも多かった。
仲良くなれたと思っていたのは俺だけで、優依にとって俺はまだ遠い存在のままだったんだろうか。