どんな君も、全部好きだから。
「まぁ、最近のお前はちょっと怖かったよね。周りに威嚇しすぎて」


蓮がドリンクのストローに口を付けたままそう言った。


「早坂さんに矛先が向かないようにしてたんだろーけど、ちょっとやりすぎ」


蓮の言葉に俺は血の気が引いていくような気がした。

もしかして、また優依を怖がらせてしまっていた・・・?

優依を守るのに必死で、優依にどう思われているかなんて気にもしていなかった。


以前も嫉妬で優依を怖がらせたことがあった。

そして昨日も、優依が三年のヤツに触られていることに耐えられなくて、強引に連れ出して怯えさせた。

そんな流れで告白したって受け入れてもらえなくて当然だ。


「ほんと・・・ダメだよな、俺・・・」


俺はまだ一度も口を付けていないドリンクのカップを持つ手に力を込めた。


「・・・もう一回頑張る気は?」


蓮が静かな声で聞いてきたけど、俺はゆるゆると首を振った。

自分が不甲斐なさ過ぎて、優依に好きになってもらえる自信がもうカケラもなかった。

すでに二回もフラれてるし、これ以上しつこくしていつか嫌われてしまうぐらいなら・・・もう終わらせた方がいい。


俺はドリンクをいっきに飲み干すと、紙のカップをぎゅっと潰した。
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