どんな君も、全部好きだから。
* *


翌日、体調に問題がなかったのでいつも通り登校した。

朝のHRが始まる前に、楓ちゃんと瑞希ちゃんに金曜日のことを報告した。

夏海くんに初めて告白されたことを報告したときと同じ空き教室の前で、私はなるべく笑顔で話をした。

でも二人には私の作り笑いなんてすぐにばれてしまったんだけど。


「優依ちゃんは・・・ほんとにそれでいいの?」

「そうだよ、夏海くんのこと好きになったんでしょ・・・?」


納得のいかない様子の二人が泣きそうに見えて、私も思わず涙腺が緩んでしまいそうになる。


「・・・どうしたらいいかわからなくて・・・」


私がこれ以上夏海くんに何かしたいと思うのが正しいことなのかわからない。

夏海くんが私とのことはもう終わったものだとしていたら、今更混乱させてしまうことになってしまう。


できることなら、たくさん幸せな気持ちをくれて嬉しかったことを伝えたい。

ほんとうは・・・好きだって伝えたい。


でも夏海くんがもう私のことをあきらめていたら?

過去に彼女がたくさんいたって噂が本当だったら、もう気持ちを切り替えてしまっているかも。

今更気持ちを伝えられても遅すぎだと呆れられてしまうかもしれない。

結局彼の気持ちに応えなかった私に、一緒にいた時間は無駄だったと思っていたらどうしよう・・・?

昨日からネガティブな考えばかり浮かんでくる。
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