どんな君も、全部好きだから。
神崎さんの言葉に私の胸がドクンと鳴った。

告白してくれたときに『ずっと好きだった』と言ってくれた。

いつから好きになってくれたのか、気になったこともあったけどなかなか聞けなくて。

もっと早く聞けばよかった。

恥ずかしがっていないで、もっと夏海くんと話をすればよかった。

去年の夏。

もしかして、夏海くんも図書室で初めて話した日のことを覚えてくれていますか・・・?


「あの、私・・・教室に戻ってもいいかな・・・?!」


今すぐ夏海くんに会いたくてたまらない。


「うん。話できてよかった。ありがとね」

「こちらこそだよ・・・!」


笑顔で手を振る神崎さんを背にして、私は教室まで急いだ。


夏海くんが私のことを今どんなふうに思っているのかは、もう考えない。

今更だって呆れられても拒絶されてもしょうがない。

ただ気持ちを伝えたい。

伝えなきゃきっと後悔する。


そんな衝動に突き動かされたまま教室に辿りついた。

ドアに手をかけて中に入ろうとした瞬間。

誰かと鉢合わせて私は身体に急ブレーキをかける。
< 184 / 246 >

この作品をシェア

pagetop