どんな君も、全部好きだから。
「・・・一緒に来てくれるの?職員室まで」


夏海くんは頬を染めたまま控えめなトーンでそう言った。


「う、うん。もちろんだよ」


何に照れているのかよくわからないまま私がそう答えると、夏海くんは少し下を向いてしまった。

ど、どうしたんだろう?何か気に障ることでもあった・・・?


そこまで考えてハッとする。

当然のように職員室までついて行くつもりなの、烏滸がましすぎない・・・?


「あ、あの・・・やっぱり昇降口で・・・いや、門の外で待ってようかな――」

「ううん、きて。一緒にきて」


食い気味にそう答えた夏海くんが、熱のこもった瞳で私を見た。

それは告白してくれたときからずっと私にくれていた熱い眼差し。

今も変わらないその熱に捉えられた私は、もう夏海くんが好きだということしか考えられなくなって。

溢れそうなこの気持にブレーキをかけることは不可能だった。


今ここで、今すぐに、気持ちを伝えたい。
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