どんな君も、全部好きだから。
その想いの強さに支配された私にはもう夏海くんの姿しか見えなくて。

抑えられない衝動に突き動かされるまま口を開いた。



「夏海くんのことが、好きです」



突然の告白に驚いた表情のまま何も言わない夏海くんに、私は言葉を続けた。

一度開いた口も、溢れ出た気持ちも、もう止めることはできなかった。


「・・・私、ずっと自分にも、自分の気持ちにも自信がもてなくて・・・」


じわっと涙が滲んだけど、夏海くんからはぜったいに目をそらしたくなかった。


「夏海くんの、かっ、彼女になる自信が全然なくて・・・それは今もそうなんだけど・・・」


今だって、もし夏海くんの彼女になれたとしても胸を張ることなんてできない。

これから先もこのまま自信なんてもてないのかもしれない。

でも―――


「でも私、夏海くんの優しいところも笑った顔も大好きだから、もし夏海くんの笑顔が少なくなっても、私が夏海くんを笑顔にしたいって・・・思ったの」


ぎゅっとこぶしを握った手のひらに爪が食い込んでいる感触があったけど、力を緩めたら気持ちも緩みそうな気がしてそのまま握り続けた。


「ほ、ほかの人じゃ嫌だって、私がしたいって。やっと自分の気持ちに気づいたの」
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