どんな君も、全部好きだから。
夏海くんはみんなの会話を聞いているだけだったけど、その瞳は優しくて。

やっぱり夏海くんもクラスのみんなに冷たくなんてしたくなかったんだなと感じた。

いま夏海くんが仲良くしている人たちなら、彼がしたいことを『らしくない』と言う人は少ないんじゃないかな?

なんとなく、そんなふうに感じる。


今まで夏海くんが息苦しさを抱えていたなら、これから少しずつでも減らしていってほしい。

そしてそのいちばんの手助けには私がなりたい。


そんなことを考えていたら、ふいに夏海くんと目が合った。

私が笑うと夏海くんも柔らかく笑い返してくれた。


こんなふうに、これからも毎朝笑い合って一日を始められたら素敵だな。


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