どんな君も、全部好きだから。

早坂さんとの仲を引っ搔き回してやりたくなった。

きっと今まで散々女の子を泣かせてきたに違いないのに。

あんなヤツの恋愛なんて、上手くいっていいわけがないと思った。


結局、あいつが好きになった早坂さんは俺の話に流されたりしない、芯の強い子だった。

自分のことそっちのけであいつを心配するような優しい子で。

見た目の雰囲気に似合わない頑固なところも面白いと思った。

俺のドロドロした汚い感情に触れてもそれはブレなかった。


あいつの幸せなんて微塵も願っていないし。

あいつには早坂さんなんてもったいないとずっと思ってる。

でも日に日に憔悴していく早坂さんをこれ以上見ていられないから――。




一人でゲームセンターにいるあいつを見かけた俺は、湧き上がってくる衝動に口角を上げた。


とりあえず、お前のやってること全部否定してやる。

お前の知らない早坂さんの気持ち、俺が教えてやるよ。


お前はどんな顔を俺に見せるんだろうな?





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