どんな君も、全部好きだから。
「ていうかこんな道の真ん中でボタン外しちゃダメだろ」
賢斗くんは顔を赤くしたまま焦った様子でそう言うと、いそいそと私のボタンをかけ始めた。
「でも、制服のボタン外してる子いっぱいいるよ」
「優依はダメ、ぜったいダメ。上までぴっちり閉めててお願いだから」
「わ、わかりました」
私の答えに安心した様子の賢斗くん。
でも次の瞬間、私を見つめながら複雑な表情をした。
それが、私にキスしたいと思っているときの顔だっていうの・・・
わかってしまった。
「まだ時間早いから、家上がっていきませんか・・・?」
ドキドキしながらそう提案すると、賢斗くんは少し考えたあと
「俺がしたいと思ってること、わかったんだ?」
と大人っぽい笑い方で、少し意地悪そうに言った。
そんな表情も好きすぎて・・・もう心臓が破裂しそう。
ねぇ賢斗くん。
これからも私だけにいろんな顔、見せてね。