どんな君も、全部好きだから。

溢れ出た気持ち(Side 賢斗)

早坂が今年も図書委員を希望していることは蓮から聞いて知っていた。

蓮の二つ後ろの席の子が早坂と仲が良くて、彼女たちが話している内容がたまに蓮のところまで聞こえてくるので、俺も休み時間はたまに蓮の席でだべったりしている。


俺は早坂と同じ委員になりたいと密かに意気込んでいたけど、委員決め当日、なんと風邪を引いて休んでしまった。

かなりヘコんだし、風邪の理由が完全に自業自得だったから、あまりに情けなくてその日はずっとふて寝した。


でも放課後、蓮から届いたメッセージを見た瞬間、間違いなく今までの人生でいちばん蓮に感謝した。

蓮の推薦で俺が図書委員に決まったからだ。

もちろん早坂と一緒に。

しかも男子は休んでる俺が学級委員にされそうな流れになっていたところ、なんと蓮が立候補してそれを阻止してくれたらしい。


いや、あいつどんだけ俺のこと好きなん。


感謝の言葉と一緒に蓮にそうメッセージを送ったら、一言『アホか』とだけ返ってきた。

もうこの際アホでもなんでもいい。

他の何もどうでもいいくらい、早坂のことしか考えられなかった。


同じクラスになってる時点ですでに接点ができてるわけだけど、まったくそれを活かせていなかった俺はもうこの委員会にかけるしかなかった。
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