どんな君も、全部好きだから。
「それで、なんでいきなり告っちゃってんの?」


蓮が操作しているスマホの画面から目を離さず聞いてきた。


「・・・なんか、溢れ出ちゃった、みたいな?」


学校を出たあと直行した蓮の部屋で、ついさっき起こった早坂との事のいきさつを報告した俺。

プレイ中の格闘ゲームはまったく集中できてなくて、さっきからゲームオーバーを繰り返している。


「は?」


俺の答えを聞いた蓮は、何言ってんだおまえ、という感じの低い声を出した。


は?と言われても、本当にそうだから他に説明のしようがない。

今日はただ普通に少しでも何か話せればそれで良かった。

告白するつもりなんて今はまだ微塵もなかったんだ、本当に。
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