どんな君も、全部好きだから。
「でも・・・なんかもうこれで良かった気がしてきたんだよな」


画面の『GAME OVER』の文字を見ながら、俺はポツリと呟いた。

やらかしてしまったことへの強がり半分、ほんとうにこれで良かった気持ち半分だった。

よく考えれば、同じクラスになれたのにまだ一言も話せていなかった俺が、同じ委員会になったところで徐々に仲良くなっていくとか、そんな器用なことができるとは思えない。

今はもう早坂に俺の気持ちは知ってもらえてるんだから、これからは俺がどれだけ早坂のことを好きか、言葉と行動でしっかり伝えていきたい。


そして、できれば俺のことも好きになってほしい。

・・・いや、絶対好きになってほしい。


「俺の犠牲の上に成り立ってる図書委員だということを忘れずに頑張れよ」

「わかってるっつーの」


蓮が恩着せがましいこと言ってるけど、そんなことはどうでもよかった。


早く月曜日になってほしい。

早坂に会いたい。また話したい。視界に入りたい。


もう見てるだけのヘタれな俺には絶対戻らない。


逸る気持ちをなんとか抑えながら、俺は自分自身にそう固く誓った。



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