どんな君も、全部好きだから。
◇ Episode 2

特別な笑顔

夏海くんからの告白があまりに衝撃的で、週末は何も手につかなかった。

月曜日、夏海くんに会ったらどんな顔をしていいのかわからなくて、朝からなんとなくコソコソとしていた。

自分のクラス前の廊下から教室の中をそっと覗き込む。

夏海くんがまだ来ていないことを確認し、ホッと小さく息を吐いて教室に入った。


「優依、おはよう」

「おはよ~優依ちゃん」


自分の席に荷物を置くと、楓ちゃんと瑞希ちゃんが来てくれた。


「おっっおはよう・・・!」


二人の顔を見た瞬間ものすごくほっとして、思わず涙が出そうになってしまった。

なんだかいつもの私の場所、私の日常に戻れたような気がして。


「どうしたの?」


私の様子がよっぽど変だったのか、楓ちゃんが不思議そうな顔で尋ねてきた。


「あの・・・二人に話したいことがあって・・・相談にのってほしいというか・・・」


週末ずっと一人で考えていたけどとっくにキャパオーバーしていたので、とにかく誰かに話を聞いてほしかった。


「相談?なにごと?」

「こ、ここじゃちょっと・・・」

「場所変えよっか」


時計を見ると、朝のHRが始まるまであと20分はある。
< 34 / 246 >

この作品をシェア

pagetop