どんな君も、全部好きだから。
でも・・・私と夏海くんはどう考えても無理があるんだって・・・。


「私は・・・夏海くんと付き合うのはほんとに無理だから、もう一度お断りしようと思うんだけど・・・」

「・・・優依ちゃんはどういうことが無理に感じるの?」


瑞希ちゃんが純粋な瞳で問いかけてきたので、私は思わず言葉に詰まる。


「えっと・・・それは、私じゃつり合わないし、住んでる世界が違うところが・・・」

「気持ちはめっちゃわかるけど、夏海くんの気持ちに向き合ってみてもいいんじゃないかなとも思うんだよね」


気持ちに向き合う・・・?


「好きな人に住む世界が違うって断られるの・・・想像したら寂しいなって思っちゃった」


瑞希ちゃんの言葉を聞きながら、私はハッとした。


住む世界が違うという理由で、夏海くんのことをそういう対象として見ることがありえないことのように感じていた。

でも告白の日、夏海くんはこんな私に歩み寄ってくれた。


いまだに信じられない。

私なんてつり合わないという気持ちは消すことができない。


でもあの時の私を見つめる真っ直ぐな瞳を思い出すと、夏海くんが軽い気持ちだったなんて思えない。

心からの気持ちを私にくれていたのなら、こんな逃げ出すような態度は失礼だ。
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