どんな君も、全部好きだから。

抑えられない気持ち(Side 賢斗)

ゴールデンウィーク中、何日か早坂と会えないかなと淡い期待をしてた。

けど、友達と約束をしていたり、祖父母の家に泊まりに行く予定があったりで、会えたのは連休初日の今日だけだった。


俺はベッドに寝そべりながらスマホのメッセージアプリを起動する。

クラスのヤツらに無理やり追加されたグループトークの通知が溜まってたけどそれには目もくれず、早坂とのトーク画面を開く。


早坂と連絡先を交換したのは、図書館で一緒に勉強することが決まった日だった。

もっと早く交換したかったけどもし断られたらショックだから、交換せざるを得ない状況になるまで我慢した。

学校以外で会う約束ができれば、『待ち合わせのときとか連絡できた方がいいから』とかなんとか言えば断られにくいかなと思って。


早坂とのトーク画面には、今日の集合時間と場所のやり取りが表示されている。

ただ必要なことを送り合っただけなのに、俺のメッセージに早坂の既読がついて、早坂から返信が来るという状況が嬉しすぎて。

早坂が昨日最後に送ってきたのは、ウサギのキャラクターがニコっとしながら『よろしくお願いします』という文字が表示されているスタンプだった。

それを見ると、なぜか胸がきゅんと音を立てたような気がした。

いや、スタンプ見てきゅんって、もう重症すぎる・・・。
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