どんな君も、全部好きだから。
そんなふうに考えながらトボトボ歩いていた下校中、校門を出たところで突然呼び止められた。


「早坂先輩！」


振り向くと、夏海くんの幼馴染の須川さんがあのキラキラした笑顔で私の方へ走ってきているところだった。


「すみません突然！ちょうど後ろ姿が見えたから思わず声かけちゃいました」


近くで見るとますます眩しくて可愛らしくて、なんだかドキドキしてしまう。

わ、私、いま変な顔してないかな・・・。


「そうなんだ、声かけてくれてありがとう」


慣れていない人と話すのはとても緊張してしまうけど、感じ悪くならないように、落ち着いた雰囲気を装って答えた。


「あの、前も言ったんですけど先輩と話してみたいなって思ってて。良かったら少し時間もらえませんか？」

「えっ、う、うん、私でよければいくらでも」


ワクワクとキラキラが入り混じった期待の眼差しを向けられ、私はタジタジしながら答える。


「嬉しい！ありがとうございます！先輩確か家あっちでしたよね？私は反対方向なので、良かったらこの近くの公園でも行きませんか？」


須川さんの言葉にうなずいて、私たちは移動を始めた。
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